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圧縮空気は、マシニングセンタの自動工具交換(ATC)アーム、シャッターの駆動、工具のアンクランプ、エアーブローによる切りくず除去や冷却など、多岐にわたる生産工程で不可欠な動力源として機能しています。

圧縮空気の安定供給は、機械の正確な動作と生産効率に直接影響を与えるため、工場の基盤的ユーティリティとして極めて重要です。

しかし、この重要な圧縮空気の漏れ、いわゆる「エアリーク」は、多くの工場で見過ごされがちな大きなエネルギー損失源です。一般的に、「工場のエア使用量の約20%が漏れによって失われているとされており、設備が経年劣化するとその割合は20%から35%にまで増加する可能性が指摘されています」。

電気料金が高騰する現代において、エアリークの早期発見と修繕は、企業の収益性向上に直結する効率的な省エネ対策として喫緊の課題となっています。

エアリークが工場に与える影響

経済的損失

圧縮空気の生成には大量の電力を消費し、「エアコンプレッサー関連の総コストのうち、80%から84%もの大部分が電気エネルギーによって占められている」と報告されています。さらに、「工場全体の電力消費量の20%から30%がコンプレッサーによるものだというデータもあり、圧縮空気システムが工場における主要なエネルギー消費源である」ことが明らかです。

このため、エアリークは直接的に電気代の無駄につながり、年間で数十万から数百万円規模の損失を生じさせます。具体的な試算例として、口径1mmの穴からの漏れでも年間約5万円、口径3mmの穴からは年間約46万円もの損失が発生する可能性があります。日本国内の調査では、「コンプレッサー出力の10~30%が漏れで失われている」と報告されており、ある工場では、空気漏れにより年間2,430万円の損失が生じていた事例も報告されています。

運用上のリスク

経済的損失に加え、空気漏れを放置することは工場運営に複数のリスクをもたらします。

供給圧力の低下と機械動作不良: 供給圧力が低下し、機械の動作不良や突発停止を引き起こす可能性があります。これは生産ラインの不安定化や、最悪の場合、生産停止につながる重大な問題となります。

他のガス漏れ隠蔽: エア漏れによって発生する騒音や空気の流れが、他の希少ガスやプロセス気体の微細な漏れを隠蔽してしまうリスクも存在します。 これにより、より危険または高価なガスの漏れ発見が遅れ、深刻な事故やさらなる経済的損失につながる可能性もあります。

主要な漏れ箇所とその発生メカニズム

工場におけるエアー漏れ箇所の部材別比率に関するデータでは、漏れの8割以上がバルブ、ホース、カプラーの3つの部材に集中していることが明確に示されています。 これは、効率的な漏れ対策のためにどこにリソースを集中すべきかという戦略的な判断の根拠となります。

部材別のエアーリーク発生比率